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人を信用できない
「人を信用できない」という訴えは、何を表しているのだろうか。人はたやすく人を信用できるという能力をもっており、楽に生きることができるのだろう。「人を信用できない」という訴えには、この能力(おそらく、「基本的信頼感」と心理学でいわれるもの)の乏しさがある。信用しようとしても、警戒心が先立つ。「信用できるか?」と石橋を叩くようにつきあう。「人を信用できない」という訴えには、心のどこかに「信用できる」という感覚がすでに生まれているということだとも思う。「信用できる」という小さい炎をやさしく育てていく。一人で育てるのではなく、人とのあいだで育てていく。
市川里美
9月5日


「不安」はどこからくるのか?(5)栄養との関連について
今回は「不安」と栄養との関連についてです。栄養に目を向けることで不安が低減、解消することも起こるのです。これまで述べた、学習、記憶、ホルモン分泌、遺伝子とさまざまな側面が複雑に絡み合ってはいるので、「栄養を摂れば、不安が解消する!」と言い切ることはできませんが、適切な栄養摂取が起点となり、感情の生起システム、不安を起こしやすくしている体内システム、神経伝達に変化をもたらし、不安を生じにくくすることが可能であると言えます。
市川里美
7月9日


「不安」はどこから来るのか?(4)遺伝子のこと
不安の元になるものとして、身体内部で起こるホルモン分泌との関連を前回書きましたが、もう一つ不安と関連する身体内部の要因があります。それは遺伝子です。不安を感じやすい遺伝子を持って生まれ、生まれ持って不安を感じやすい、心配な気持ちが起こりやすい、ということがあります。不安を克服しようとすることだけですと苦しくなることもあります。幅広く、いろいろな選択肢を持ち、自分に合ったものえお選んでいくことも不安への対処の一つになると思います。
市川里美
5月21日


「不安」はどこからくるのか?(3) 身体内部の変化(ホルモン)との関連
不安はどこから来るのか?不安はなんらかの刺激を受けて生起するものではあります。一方で、外からの刺激ではなくとも、身体内部での刺激によって不安が生じることがあります。不安とホルモンの関連について書きました。
市川里美
3月12日


「不安」はどこから来るのか?(2)不安が学習される?
不安はどこから来るのか。その一つに「学習」が挙げられます。ある刺激から不安が生起するということは、不安感情の「学習」が生じていると言えます。その感情が起きたこと(経験)で、同じ状況下でその感情が生起しやすくなるということが学習されたといえます。
市川里美
1月15日


「不安」はどこから来るのか?(1)
「不安」は対象が明確でなく、いつ、どこで起きるかわからない。それでも不安を引き起こすきっかけとなるものはありそうで、それをカウンセリングの中で探理、対処法を考えることが不安低減につながることもある。どんなことが不安を引き起こすのか考えてみたい。
市川里美
2024年11月16日


不登校は失敗なのか?(2) 子育ての責務は母親にある?
前回のブログでは、母親の「完璧主義」や「失敗したくない思い」という視点から、その反応の背景にあるものを考えてみたのですが、さらにもう一つの視点に気づきました。それは、子どもに関して責務を負っているのが圧倒的に「母親」であるということです。
市川里美
2024年9月25日


不登校は失敗なのか? 親の焦り
我が子が不登校になると、親はとても焦ります。早く学校に行けるようにといろいろな策を講じます。特に不登校の要因として思い当たることがなく、家にいるときは元気でまったく問題がないように見える場合には、「なんとか学校に行かせたい」と親は考えます。その焦りは何なのでしょうか。
市川里美
2024年7月25日


「〜けど…」と心の容量
「〜けど…」という言葉が出てくる心には、行動への迷い、不安が見え隠れしています。一方で、それをなんとか乗り越えていこう、乗り越えなければという思いも起こっているのでしょう。しかし、「〜けど…」という言葉が自然に出てきた時点で、心の容量はすでにストレスでいっぱいになっている。
市川里美
2024年5月24日


蛙化現象 精神分析と自己心理学の視点から
昨年、蛙化現象ということばが、Z世代で流行したそうです。好きだった相手が自分を好きだとわかったとたんに相手を嫌いになってしまう、気持ち悪いと思ってしまう。そもそも「好き」という感情は変わりやすいものかもしれません。精神分析、自己心理学の視点からは、自己愛の問題が見えてきます。
市川里美
2024年3月27日


「自信がない」
心理カウンセリングに訪れる方がお話しされる「自信がない」は、辞書的な意味とは少し違い、「不安」「安心できない」ということがあるようです。では、安心はどうやったら感じられるようになるのか。それは、周囲との関わりの中で感じられるもののように思います。
市川里美
2024年3月10日


心理カウンセリングで行われることとは?「話を聞くだけ?」(3)
心理カウンセリングでは一体なにをしているのでしょうか。何が起きるのでしょうか。心理カウンセリングの本質とは、脳や神経ネットワークそのものに変化を起こしているといえそうです。脳科学、神経科学の知見を重ね合わせることで、より効果的な心理カウンセリングとなることが考えられます。
市川里美
2024年1月21日


心理カウンセリングで行われることとは?「話を聞くだけ?」(2)
心理カウンセリング(心理面接、心理療法)では何が行われれるのか。ただ話を聞くだけではないことは確かなのですが、疑問に思われる方も多いと思います。心理ウンセリングで起こることについて、今回はその続き(2)です。
市川里美
2023年12月29日


心理カウンセリングで行われることとは?「話を聞くだけ?」(1)
「カウンセラーって、話を聞くだけでしょ」と言われたことがありました。心理カウンセリング(心理面接、心理療法)についてもう少し知っていただくことに、臨床心理士や公認心理師とは努力しなければいけないのだろうと思います。それでは、心理カウンセリングでは何が起こるのでしょうか。
市川里美
2023年12月8日


アタッチメント・スタイル(3)回避型と恐れ型
アタッチメント・スタイルが回避型の人は、人と親しくなることに緊張し、落ち着かない感じになります。自分に近づいて親しくしようとしてくる人がいれば、不快に感じます。「信頼できるのは自分だけ」「人は信頼できない」と思っていますので、困っていても人に頼ることを考えません。
市川里美
2023年10月25日


アタッチメント・スタイル(2) アンビバレント型
一人の人、一つのものごとに対して相反する二つの感情を同時に持っているという状態をアンビバレントと言いますアタッチメント・スタイルがアンビバレント型の人は、人は自分と一緒にいたいと思わないのではないかと心配になって距離を取ろうとしたり、逆に人に近づきすぎたりします。
市川里美
2023年8月31日


アタッチメント・スタイル(1) 〜対人関係の土台となるもの〜
生まれながらにして、赤ちゃんは親にくっつこうとし、それに対し親が声かけをしたり、慰めたりし相互的な関わりが始まります。これが「アタッチメント・システム」です。「怖いな」「不安だな」と感じた時に、親にくっつく。親が守ってくれる。このアタッチメントのあり方が対人関係の土台となります。
市川里美
2023年7月20日


ヒトは一人では生きていけない 「アタッチメント・システム」のこと
アタッチメントとは「くっつく」「付着する」という意味です。赤ちゃんは生物として生きながらえるために養育者を「安全基地」として認識し求めます。泣いて求めたり、くっつこうとする。その求めに応じて養育者が保護し、赤ちゃんは安心する。このような相互作用をアタッチメント・システムといいます
市川里美
2023年6月4日
学校に行かない、行けない、行きたくない
学校、教室から遠ざかっている子どもの心の中の大きな不安。その不安と向き合うためには心のエネルギーが必要です子どもの心に十分なエネルギーが溜まってくるのを待つ。そのことをわかってくれる人がいるということだけでも、子どもは安心し、それも心のエネルギーになります。
市川里美
2023年4月28日


カウンセリングと電動アシスト自転車
電動アシスト自転車は、軽い力で走ることができるものです。急な坂道も楽に登ることができたり、少ない力で遠くまで行くことができます。人がペダルをこぐ力をもとにして動くもので、人がこぐからこそ電動アシスト自転車は走ることができる。この様子は、カウンセリングに似ていると思うのです。
市川里美
2023年3月15日
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