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  • 市川里美

秋の釣瓶落としと地下帝国


 彼岸を過ぎると、急に日の入りが早くなります。「秋の釣瓶落とし」という表現はその感じにぴったりと当てはまります。夕方、地下鉄の駅を降りて地上にあがると、すっかり暗くなっていることに驚かされる、寂しくも感じることは、多くの人が体験していることと思います。そして少し焦って家路を急ぐ、そんな感覚もあるのではないでしょうか。

 この頃には、日照時刻及び時間の変化、気温の変化が起こっており、身体へかなりの負荷がかかっています。体の中では、体温調節、ホルモン調節などに大忙しです。体内のそのようながんばりは自覚されにくいものですが、疲れやすさでわかるかもしれません。疲れを感じたら「相当がんばっているんだな」と受け取って、しっかり休養を取るようにできたらと思います。

 ところで「秋の釣瓶落とし」。日の短さがもたらす寂しさですが、これには太陽、日照時刻、日照時間が大いに関係しているようです。人類史上、太陽とともに暮らしてきた私たちは太陽に左右されるようです。人類の歴史の中で遺伝子にそのようなプログラムが埋め込まれてしまっている。行動、感情、睡眠、生理作用など、太陽光がスイッチを入れるていきます。朝、太陽光を浴びて体内リズムを整えましょう、というのはそのようなことからなのです。

 そう考えると、太陽のない地下帝国や海底帝国に人が生活することはまず無理なのでしょう。それとも遺伝子が変化し適応していくのでしょうか。そんな想像している秋の夜長です。

 地下やビルの中にいる時間が長い生活ですと、太陽光を浴びる時間がなかなかないようです。ぜひ意識して浴びる時間を作りましょう。精神的な健康にも必要なです。白夜の国では、うつ病が多いと言われます。そしてその予防のために、太陽を浴びることが日課となり、必須となっています。

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