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期待と不満と怒り 自動掃除ロボットとの関わり

  • 市川里美
  • 5月20日
  • 読了時間: 2分

 自動掃除ロボットを使っていた。掃除機掛けと水拭きを同時に行えるもので、部屋の間取りを覚えて、段差を転げ落ちるようなこともなく、無用に障害物にぶつかりすぎることもなかった。ものを吸い込みすぎすることもなく、多少掃除に時間がかかるような気がしていたし、同じところをクルクルと何度も行き来する様子が気になることもあったが、文字通り自動に掃除を終えてくれることには、当初とてもありがたい気持ちであった。


 しかし、なぜか指示をしてもどうしても掃除をしてくれない箇所があった。あるいは、以前には掃除していたところへ行かないときもあった。ホコリが残ってしまっていること、拭き掃除が少し物足りないと感じるようになったこともあり、もっと上位の機種であれば、このような不満を解消できるのではないかと考え、AIに聞いてみることとした。いまの機種よりもしっかりと掃除をしてくれるもの、満足できるものはないか?と。

 

 AIは、いくつかの機種名とその特徴を回答すると、さらに希望を尋ねてきた。それに答えると、「自動掃除ロボットは、あくまでも補助的なものとして考えて、ほかのものと組み合わせるとよい」との一文があった。今まで通りの掃除機を使うことや、手で拭き上げるというものである。その一文に、恥ずかしい思いが沸き上がった。「あぁ、欲をかきすぎていたのだ」と。自動掃除ロボットのみで、満足のいく掃除を成立させようと望みすぎていたのだ。使い始めの頃は、障害物を避け、間取りを覚えて掃除をしてくれる様子に、とても満足していたのに、次第に期待が大きくなり、「どうしてもっとうまくやってくれないのか」と不満も持つようになっていたのだ。

 

 このようなプロセスを振り返って、たとえ自然にわき起こる期待や望みであったとしてもそれが過ぎたとき、気づかぬうちに対象への不満や怒りの感情へとすり替わっていくことに驚く。今回は、自動掃除ロボットへの過剰な期待と不満であったが、周りの人に対して、このような気持ちのすり替わりが起こっていることに気がつかなければ、「どうしてできないのだ!」「期待に応えられないあなたが悪い!」と相手への怒りとなってしまうことにもなりかねない。仕事でも、家庭でも、相手への期待が不満、怒りへすり替わっていないか、相手を傷つけていないか、あるいは、逆に過剰な期待を向けられて理不尽に傷つけられてはいないか、という視点を持って対処できればと思う。

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