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市川里美

苦手なことを「社会科見学」と考えてみる

更新日:2020年12月19日

 人には誰にも苦手なことがあります。「できれば避けたい…」と思うこともあります。たとえば、人前で話す、苦手な人に会う、これまでやったことがないことをしなければならない…。みんなができているのに自分だけやらないのは、逃げているようで居心地が悪いものです。また大人になると「できません」「やりたくありません」というのは、どこか子供じみたわがままのように思えてしまいます。

 それが終わるまではずっと緊張します。緊張から解放されれば「やってよかった」と思う時もあるでしょう。しかし、緊張に慣れるということはないのだなと思います。何度もステージを踏んでいるであろう80代の大物演歌歌手が「どのステージも今も緊張する」と話し、7万人入る会場でコンサートをするアーティストが、コンサート前には「吐きそうなほど緊張する。逃げたい」と言っているのを聞きました。いろいろなハプニングもくぐり抜けてきたでしょう。そういう方々でも「緊張する」「怖い」「逃げたい」と思うのです。

 そんな緊張や怖さを感じるようなことを、無理してすることはない、逃げていい、と私は思っています。「私はやりたくありません」と大人だって言ってもいいと思います。しかし、そうはいかない場面も多いです。そのようなときに「これは、社会科見学」と考えてみてはどうでしょう。ちょっと傍観者になり、冷静になるということができそうなのです。見学なので失敗も成功もありません。そこにいき、その場を経験するだけです。その場をレポートするように現場レポーターになってもいいかもしれません。

 「うまくやろう」「成功させよう」とするとより緊張してしまい、うまくいかないようです。

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