• 市川里美

精神栄養学

 江戸時代、白米を食べるようになり「脚気(かっけ)」が多くなりました。膝の下を叩いても足が跳ね上がらなくなるという症状が有名ですが、足元がおぼつかなくなったり、足のむくみやしびれ、全身の倦怠感、食欲不振、重篤な末梢神経障害が起こります。原因はビタミンB₁の欠乏です。精米によって、胚芽部分に多く含まれるビタミンB₁がを摂取できなくなったのです。

 栄養不足はからだに不調をきたします。いまは食料に困ることはないのですが、現代人にも栄養不足が生じています。タンパク質は第二次世界大戦後すぐよりも、摂取量は低くなっているというデータがあります。タンパク質は「筋肉を作る」という認識が強いと思いますが、セロトニンやドーパミンの材料となり、不足すれば集中力や意欲低下など精神機能にも影響があります。

 精神・脳機能と栄養との関連については、精神栄養学や分子整合栄養医学という領域での研究が進んでいます。その中で、うつ病予防には不飽和脂肪酸やビタミンB群の摂取が有効であるといわれています。しかし、気をつけていても、昨今の食材・食料からは摂りにくくなっています。精製したものが多いこと、土中の栄養素が乏しくなっているからだといわれます。食べていても摂れていないかもしれません。栄養摂取をより一層意識していくことが必要になっています。

 また、それぞれの栄養素の必要量については個人差が大きい印象です。日本人の標準栄養摂取量など科学的データが提出されますが、どの栄養が自分に必要なのか不足しがちなのかは、自分の体に聞いてみるのが一番のようです。自分を客観的にみるメタ認知が求められるところです。

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