• 市川里美

栗拾い  抱え過ぎた栗を落とさずに、落ちている栗は拾うことは難しい。

 暑さと台風に耐え忍んでいるうちに秋がやってきました。収穫の時期です。以前、3歳くらいの女の子が栗拾いをしている様子をニュース映像で見ました。いがのついた栗を胸に抱えて、次々と拾っては腕の中に入れていく様子がとても愛らしいのですが、そのうち腕の中のキャパを超えた栗が地面に落ちます。それを拾おうとすると腕の中の別の栗が地面に落ちて…。それが繰り返されます。この姿も愛らしいです。いっぱい拾いたいのでしょう。

 抱え過ぎればこぼれていきます。抱え過ぎている状態で拾おうと屈めば、こぼれ落ちていきます。拾ったものを一度どこかに置いたり、袋に入れたりできればいいですね。けれどついつい今の状態で多くの栗を拾おうとしてしまうということをしてしまいがちです。それに、どこかに置きに行くには時間がかかるし、袋を持っていなければ取りにいかなければなりません。適当な袋があるかもわかりませんから、ちょっと面倒にもなります。手間が増えると人は面倒くさくなりますから、今のままでなんとかならないのかと考えて、そのままにしてしまいます。

 けれどその面倒を超えると、得られるものが多くなります。心の問題もそのように思います。心の中にいつの間にか増えてしまったその抱えているものを、少しどこかに置いたり、誰かに預けたり、あるいは腕の中にそっと置いて抱えさせてくれる人を探したりしてもいいのではないでしょうか。そうして心に余裕ができます。本来持っている能力を発揮しやすくなると思うのです。

 一人で抱え込まずに誰かに応援を頼むということは、自分が思うより少し早めにすることがよいように思います。

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