心理検査は、いくつかの検査を組み合わせて実施されることがほとんどです。種類の異なる心理検査の結果から複雑な心理を多面的にみることで、その特性を掴み理解を深めていきます。このように心理検査をいくつか組み合せることを「テストバッテリー」と言います。知能検査は単独で行うことも多い検査ですが、いくつかのパーソナリティ検査と一緒に実施することが通常です。知能検査1つ、パーソナリティ検査2つ、という組合せが多いと思います。自閉症スペクトラム障害、ADHD(注意欠如多動性障害)、学習障害などについては、知能検査に加えて、その特性をさらに深く見る他の検査を用いることもあります。
知能検査は1つであるのに対し、パーソナリティ検査を2つ用いるのは、パーソナリティ検査にはいくつかの種類があることによります。アンケートに答えるような形式のもの(質問紙法)や、絵を描いたり(描画法)、あいまいな絵をみてそれが何かを答えるもの(投影法)などがあります。このような方法の違いもありますし、それぞれの検査は心の違った側面をみますので、心の何を知りたいのかにより、その目的に適したものを選び組み合わせます。このように、テストバッテリーにより、心の各側面からパーソナリティをみて、目的に沿った結果を得るということになるのです。
検査はそれぞれの実施時間が異なります。数十分で終わるものもあれば、2時間以上かかるものもあります。場合によっては2日間にわけて行うこともあります。また、その結果もすぐにわかるものではなく、さまざまな検討、解釈を時間をかけて行います。よって結果報告は、早くても2週間後となります。
自閉症スペクトラム障害、ADHDなどの情報が広く知られるようになり、現在、心理検査を希望される方が多くなっているようです。どの専門機関も混み合い、なかなか予約が取れないという状況です。それは上述のように、お一人お一人にしっかりと時間をかけるということも大きな理由となっています。
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