• 市川里美

心理検査について(4)パーソナリティ検査

 心理検査の1つであるパーソナリティ検査では、パーソナリティのありかたをみていきます。「パーソナリティ」というと、ラジオのパーソナリティ、番組を進行していく人、という意味が一般的かもしれません。またパーソナリティ検査は、以前は「人格検査」という名前でした(診断名の一つである「人格障害」も、現在は「パーソナリティ障害」に変更されています)。「人格」という言葉も一般的には、「あの人は人格ができている」など、人柄やその評価に使われることが多く、人格検査にしても、パーソナリティ検査にしても、何を検査するのかがわかりにくいですね。

 

 心理学用語としての「パーソナリティ」とは、心理的特性を意味します。心理的特性とは、その人の行動や、判断のもとになる考え方やその傾向のことをいいます。人は個々に、ものごとのとらえ方、感覚、それに対する判断や行動の傾向や、考え方の方向性というものを持っています。それは生まれながらのものもありますし、その後の育ちや環境によるものもあります。生まれながら持っている特性が、生まれてからのさまざまな人との関わりや経験などの影響を受け、変化しつつパーソナリティが出来上がっていくと言えるでしょう。(18歳まではかなり変化するため、パーソナリティ検査は18歳以上で行うことが多いです。)


 パーソナリティとは「その人らしさ」といってもいいと思います。その人を特徴づけている、ある程度一貫した行動パターンともいえるでしょう。周りから見れば「あの人だったらそうするだろうな」「あの人らしい判断だな」などと想像できるような感じです。それは、生き方、価値観、対人関係にあらわれ、心理的問題となることもあります。うつ病などの精神的な疾患につながることもあります。パーソナリティ障害として顕在化することもあります。


 自身の心理的特性について、無自覚な部分が多く、自分ではなかなかつかみづらい。複雑でわかりづらいということもあります。パーソナリティ検査では、無自覚な、潜在的な心理的特性をみます。知能検査と同様に、それが「良い」とか「悪い」ということではなく、現在の心理的問題についてどのように影響しているのか、そうであればどう向き合ったらいいのか、どんな対策を立てればいいのかを考えていくヒントを得ます。変えていくことができる部分もありますし、三つ子の魂百までというように、なかなか変わらない部分もあります。けれども、自分の心理的特性を知ること、それを客観的に見ることは、自分の能力を十分に発揮することへとつながる。さらには、自分を客観的にみること、その力を育むことは、人をより豊かにしていくこととなると考えます。