• 市川里美

心理検査について(2)知能検査

 いわゆる「IQ」が算出される検査です。IQとは Intelligence Quotientの頭文字をとったもので、知能の水準、発達の程度を表す数値です。テレビ番組などで「このクイズができたらIQ120 」などと言われることがありますね。心理検査(1)でも記しましたように、それは科学的な根拠のないものですが、医療機関などで実施される心理検査は厳密に統計的に検討されたものです。とはいえ、それが「絶対」ということもありません。人間の知能にはさまざまな側面があり、それを1つの検査で把握することは不可能です。しかし、おおよその水準、発達の程度や様子を知ることができます。

 

 日本ではウェクスラー式検査が用いられることがほとんどです。小学生以上ですと、まずはこの検査を実施します。そのあとに必要に応じて、学習障害や読み書きの障害を対象としたさらに詳しい検査やパーソナリティ検査等が行われます。


 当オフィスにおいては、WAIS検査とWISC検査を用意しております。WAISというのは、Wechsler Adult Intelligence Scaleの頭文字をとったもので「ウエイス」と読みます。現在は第4版が使われており、WAIS-Ⅳ(ウエイス-フォー)となります。この検査は16歳以上90歳11か月までの方が対象です。WISCとはWechsler Intelligence Scale for Childrenの頭文字をとって「ウイスク」と読みます。現在第5版が出ており、WISC-Ⅴ(ウイスク-ファイブ)となります。こちらは5歳から16歳11か月までのお子さんを対象としています。

 

 算出された数値をみて、知的障害や学習障害の判定をすることを以前は目的としていましたが、いまは数値よりもそこに現れる問題となる点をみて、その対策を考えていくことが目的となっています。ですので、知能検査をすすめられたとしても、そのことで知的障害や学習障害、発達障害と疑われているということではありませんし、診断することが目的ではありません。うまくいかないこと、困っていることについて、いまどんな対策が必要なのか、どんな工夫や支援が有効であるのかをみつけていきましょう、という方向性となります。