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冷蔵庫のアラームと自動思考

  • 市川里美
  • 10月25日
  • 読了時間: 2分

 先日、冷蔵庫の扉をきちんと閉めておらず、アラームがなりました。助かりました。自分では気がつかないのですから、アラームが鳴らなければ、食品も電気も無駄にしていたところでした。電子レンジのアラームにも助けられています。以前使っていたものにはアラームがなく、温めておきながらすっかり忘れ、翌日に他のものを温める際に気づき、冷めたお皿を取り出すということもありました。「まだ、取り出してませんよー」と教えてくれるのは、とても助かります。

 

 冷蔵庫のアラームについては、別の思いも生じていることに気づきました。いくつもの食材を取り出そうとして、1分以上扉を開けてしまった時。その時にもアラームが知らせてくれるのですが、ふいに頭に浮かぶのは、「ごめんなさい!」、「今、すぐに閉めます!」ということばで、「悪いことをしてしまった!申し訳ない」という気持ちが出てきます。


 これは、心のクセかな?と思います。冷蔵庫としては、ただシステムとしてアラームを鳴らしているのですから、こちらを責める気持ちはない。しかし、こちらは、「ごめんなさい」「申し訳ない」と感じる。もう少し詳しく探ってみれば、単なるシステム上の感情を含まないアラームに対し、自動的に「ごめんなさい」が出てしまっている、ということになる。


 このように、人には、意図せず自動的に気持ちや考えが生じることがあるようです。認知行動療法では、これのような反応を「自動思考」と言い、それによってネガティブな感情が大きくなり、心の健康を損なうようなことがあれば、この自動思考を解消していきます。

 

 世の中には、アラームやお知らせが溢れています。電子決済での残高不足のアラーム、エレベーターでの重量オーバーのアラーム、パスワードの入力エラーのアラームなどなど、どんなふうに感じ、どんなことが頭に浮かぶでしょうか。そこには、心のクセである「自動思考」が起きているかもしれません。


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