• 市川里美

人生100年時代のアイデンティティ 

 コロナ禍の1年。ものすごいスピードで変化が次々と起きました。会社も学校も、社会全体がその変化に対応することを余儀なくされました。今まで常識的にタブー視されていたことも受け入れられたように思います。会社や学校に行くことが絶対的な良いことではなくなりましたし、満員電車での通勤通学に耐えることも「当然のこと」ではなくなりました。また、これまでの枠にはまらない自由な発想のもと、ありえなかったことが現実のものとなっています。

 人生100年時代と言われます。現在50歳未満の日本人は100年以上生きる可能性が高いとのこと。100年生きている間には多くの変化が生じ、それに適応することを求められるのでしょう。現在も、週3休、副業、会社や団体に所属しない働き方、学校でなく自分で学ぶことなど、すでに現実のものとなっています。そして、それで終わりではない。さらに、セカンド、サードステージへとシフトするのでしょう。その中では、それまでのものとの決別も求められていく。足元が揺らぐのような感覚ではないでしょうか。あるいは暗い森に迷い込んだような。そのような時、軸となるのは確固たるアイデンティティなのではないかと思うのです。


 変化に適応するためのさまざまな方法や手段を選ぶ。これまでのものを捨てて今までにないものにシフトする。そのためには「素のアイデンティティ」が重要になってくるのではないかと思うのです。「素」というのは、どこにも所属していないまったくの「個」の自分です。組織や集団、世間体や常識というのものさしに囚われない「個」の自分。自分にとって価値があると思えることは何なのか。自分にはどのような力があるのか、どのような力が獲得可能であるのか。自分は何が得意で、何が苦手なのか。それを知っていることが、変化の荒波に流されないための錨となるのではないかと思うのです。


 しかし、この確固たるアイデンティティを作りあげることは自然にできるものではないように思います。これまでの自分を振り返り、自分の考え方のクセ、対峙したくない心の弱み、「自分にはできない」といつの間にかかけているリミッターを見抜く。そういった心の奥にあるものを意識して取り出し、しっかりと見つめる。


 このようなことにもカウンセリングがお役に立てればと思います。

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