• 市川里美

カウンセリングって何をするの?(2)

 カウンセリングって、いったい何をするのでしょうか。カウンセリングを受けるとどういうことが起こるのでしょうか。

 前回は、「話す」ことで心の整理をする、ということについて書きました。今回は、2の 「もののとらえ方、考え方、行動、感情を変える。」ということについてです。これは端的にいえば人格の変容を起こすということです。 

 

 人格の変容といっても、「人が変わってしまう」「別人になる」ということではありません。臨床心理学でいう人格とは、その人のもののとらえ方、考え方、行動、感情の総体です。何か起こったときに、どういうとらえ方をして、どういう行動をして、どのような感情が生じるか。それがその人の人格(パーソナリティ)です。柴犬をみて「かわいい」と思い近寄って撫でてうれしくなるのか、「怖い」と思い遠く遠ざけるのか。自然と出てくるそれらはその人の中にあり、その人らしさがそこにあります。

 このような自分の心のあり方をカウンセリングでみていきます。そして生きづらさにつながっているものがあればそれに向き合います。見えなかったもの、見ようとしなかったものを取り出しみつめる、いつのまにか囚われていたものに気づく、しまい込んでいた気持ちに気づく…。すると本来の自分らしさを取り戻し、持っている能力を存分に発揮できるようになります。

 しまい込まれているものに自分一人で気づくのは難しいものです。それを一緒に探っていくのがカウンセリング(心理療法)です。思いもよらないものが見えてくることもあります。内心「見たくない」と思っていたものを掘り起こしそれと向き合うのですからつらさも感じることもあります。


 しかし、カウンセリングだけがこの作業をできるわけではないと思います。いろいろな出来事、経験の中で気づかれていくことのほうが多いかもしれません。ただそれが難しそうなときにはカウンセリングの利用を選択肢の一つに入れていただけたらと思います。


 特に今、自分の感情に気づきにくい方が増えているように思います。自分の気持ちを抑えて、合理的、効率的、論理的に行動することが求められているからでしょうか。自分にどんな気持ちが起こっているのか、それをカウンセリングでみていくことだけでも本来の自分を取り戻し、心がやわらかくなります。多少のストレスは跳ね返せる元気がでるように思います。

 精神分析的アプローチ、認知行動療法、解決志向アプローチなどなどカウンセリングの手法がいろいろあります。ご自身にあったものと出会えるといいと思います。

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